娘たちの受験(長女の場合)

今週のお題「受験」。

 昨年の今頃我が家は受験生2人を抱えていました。長女は地元の特別支援学校の高等部3年、次女は公立中学の3年でした。今日は先にいろいろと決まった長女についてお話ししたいと思います。

 長女はダウン症で知的レベルは5歳程度です。心臓の持病のため身体障害者手帳療育手帳も持っています。山口県は全国に数校ある高等部を卒業後に進学する専攻科はありません。ほぼ全員が卒業後は就職か就労(施設での作業)に行く事になります。

 長女を産んだとき、「何でもできるようになります。健常児の10倍とか100倍とか10,000倍かかるかもしれないけど、できないことはないですよ。」と言われたことがずっと励みになっていました。だから、根気強く挑戦させて、日常生活に困らないように育ててきたつもりです。なのに、高校を卒業したら働く以外の選択肢がないなんて…。もっと学びの場を与えてほしい。も少し頑張ればお金の計算や時計も読めるようになるのに…。接客や掃除ももっと教えてほしい…。ずっと卒業後の長女の事を考えていました。

 同じように考えていた元支援学校の先生が退職後学校のような施設を始められ、そこを見学に行ったりもしましたが、隣の県の障がい者職業訓練校に進学させたいと思うようになりました。長女の知的レベルだとギリギリですし、普段は寮生活でも、週末は新幹線で帰宅することになります。かなり無謀な計画でしたが、長女を学校と言う場に置いてやるにはそれしか考えられませんでした。先生方もきっと反対だったと思いますが、見守ってくださいました。高2のときから見学に通い、受験のときには時間をかけて面談をして下さいました。結果は不合格でしたが、これで心置きなく次のステップに勧めると思いました。

 長女は卒業寸前に今の事業所でお世話になることが決まりました。進学に失敗したら、しばらくは家居になることも覚悟していましたが、先生方の御尽力で決まりました。ただ、やはり思い描く生活とは大きく違います。でも長女の夢は「コーヒー屋さんになること」なので、20歳での開業に向けて今年から始動します。