転校生の気持ちは…

 1月20日の6歳の誕生日の日に私は現在の実家の場所に越してきました。当日まで私は何も知りませんでした。いえ、実際は前日の19日、通っていた保育園の担任先生からお別れにとクラスのみんなからのお手紙を渡されたときに、知りました。ずっと家の近くの小学校にクラスのみんなと同じように春になれば入学すると思っていた私は、勝手に越してしまった両親を恨み、全く罪もない引越し先のクラスメートにも心を閉ざすようになりました。お別れに渡された手紙を見てばかりいる私に、母が心配してその手紙を隠したりしていたようです。

 両親としては、4月に越すよりも少し早めに越して慣れておいたほうがいいと思ったそうですが、越した先は、山の中の本当に小さな学校で、以前の仲良しの友だちと引き裂かれたという思いのほうが強くて、私は笑わなくなってしまいました。そんな私にも優しく話しかけてくれたクラスメートを睨むことさえあったような…。そんな感じですから、だんだん、言葉をからかわれたり(両親の考えで、家では佐賀弁、外では標準語だったんですね私)、匂いがするとか言われたりとかするようになります。でも、入学する頃には、新しい環境でみんなも大変で、助け合ったり、徐々に仲良くなってきました。その後、私と同じように転校してくるメンバーもいましたが、いつでもみんな温かく迎えます。私も自分がしてもらったように、迎えてきました。

 そんな憎たらしかった私を今でもずっと温かく優しく見守ってくれているのが、当時からの幼馴染達ですね。今でも中学から(町内6校が一緒になります)合流したメンバーも含めてLINEでつながっています。住んでいるところはバラバラだけど、同じあの街で過ごしたメンバーは人を悪く言ったり、失敗を笑ったりとかしたりしない、本当に心のきれいな人たちばかりなんですね。あの街がそうさせるんじゃないでしょうか?

 秋吉台の裾野にある山と川と田んぼしかない街ですが、大好きな街です。

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