山は登りません!

今週のお題「好きな街」

 高校3年の秋、父に言われていやいや受験した公務員試験の作文のお題が、「山」でした。予想していたお題と全然違って驚いたけど、その時思い浮かんだのは、山に囲まれた実家ではなく、山がほとんど見えない佐賀平野でした。今は、バルーンが飛んでいるあそこです。

 毎年ゴールデンウィークやお盆。年末年始に佐賀の祖父母の家に行くのが我が家の恒例です。佐賀平野を通るたびに、なんだか違和感を感じていた私は、なぜだか、あの公務員試験の作文のお題「山」で突然佐賀平野を思い出しました。あー私はあのだだっ広いあの風景が好きなんだなあと突然感じました。

 佐賀は私にとっては、なくなった祖父母の住んでいた街で、大好きな思い出の街です。ここ山口とは違うにおいと風景がそこにあります。

 決して山が嫌いなわけではないんですが、だだっ広いの好きなんですね(笑)。山も登らないし…。秋吉台の野原も大好きです。秋が深くなると、山紅葉っていって、草原が山吹色になります。日暮れごろに風に吹かれながら、山紅葉を見ていると、特に寂しいことなんかなくても、寂しい気持ちになる、とても不思議な場所です。街ではないですけどね。