環境の変化に弱い家系なので…

 希望がかなって、教員になり、教育実習に行った学校に赴任するという幸運に恵まれた私は、夢のような日々を送っていたわけですが、体は全く別の反応をしていました。

 4月に入り、大学での怠惰な生活が影響して、やることなすことダメダメで、失敗の多かった私は、気が付くと手を洗うようになっていました。自分でも全く意識しないうちに…。とうとう手の皮がボロボロとむけ始め、血がにじむようになりました。

 授業で生徒たちに会うことだけが心の支えになっていました。私の兄弟はみんな環境の変化に弱いほうで、すぐ下の妹は不登校寸前で、もう一人の妹は担任が変わる度に自家中毒で1週間学校を休むしで、自分も少しそんなところがあるなあと覚悟はしていましたが、どうしたものかと思っていました。

 自分では失敗を反省しているのに、それが相手に伝わらない。それが当時はとても辛くて、誠意って言葉が本当に辛くて…。準備室という教科ごとの控室に引きこもるようになって、先輩方にも心配をかけるようになりました。それでも心が壊れなかったのは生徒と過ごす時間と大学時代から続けていた趣味の競泳のおかげでした。毎日毎日どんなに遅く帰っても、3キロ泳いで、その間は頭の中は空っぽにできて救われた思いでした。表面上は何の悩みもなく、生徒と楽しそうで、わがままで準備室に引きこもっている感じに見えていたのでしょう。悪循環です。

 しばらくすると、同僚や先輩方にも気の合う人ができて、いろいろな仕事も楽しくなりました。その頃楽しい余暇の過ごし方を教えて下さった頼れる先輩が、次女の学校の校長先生として赴任されたのはとても嬉しかったですね。縁を感じました。先輩の広い心を次女も感じ取ったみたいで、更に嬉しかったです。私も先輩みたいに、広く優しい心を持った教員になりたいなあと今強く感じています。

 つらかった時期は今思うと夏休みまでの5か月くらいです。もし、新しい職場で違和感を感じているなら、もう少し自分のできる仕事でがんばってみてはどうかと勧めたいです。諦めてやめてしまうのはもしかするともったいないかもしれません。自分が違和感を感じているなら、周りの皆さんもきっと違和感を感じているはずで、きっと少しずつ歩み寄れるはずです。

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