なくてはならないお店

 この街に住んで27年が経ちました。初任地が自宅から通えるところだったので、自宅での暮らしが長かった私ですが、異動してこの街に住むようになりました。

 20代の終わり、元々乾燥肌の私は、若いころからニキビもないし、肌トラブルを感じたことはなかったのです。なのに、ある日あごの下や額の皮膚が剥がれてきました。子どものころから使っているニベアを塗っても一時的に回復はするものの、潤いなんてものはなく…。市販のクリームを試すと、アレルギーまで出始めました。

 そのころ住んでいたアパートの近くに小さな化粧品店がありました。当時は聞いたことのないメーカーの看板を掲げたそのお店には、「お手入れ1,000円」の看板がかかっていました。藁をもすがる思いで、そのお店に飛び込みました。優しそうな店主とその姪御さん、店員さんの3人が迎えてくれました。それから月に1~2回5年ほど通い、乾燥肌の私の肌はトラブル知らずになりました。

 結婚してからも通い続け、今は、暖簾分けされた姪御さんとその娘さんのお店に月1~2回通っています。大学に進学した次女も今年からお世話になっています。運動会で日に焼けては店に飛び込みパックしたり、年に1度は贅沢なパックを堪能したりと私の唯一の贅沢です。

 お付き合いはもう27年にもなるんですねえ。もうなくてはならない存在です。