文章を綴るということ

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

わたしがはてなさんでブログを始めたきっかけは、一人の教え子の死が関係しています。彼は図書館の常連さんで、発達障害持ちの男の子でした。読書家でおしゃべりな彼は、インターネットで小説を書いているので見てほしいと言ってきました。

とても幼くて彼そのものの文章でしたが、一生懸命書いている姿が目に浮かびます。時折読んでいましたが、彼に直接感想を言うことはありませんでした。彼は友人関係のもつれで中退してしまいましたが、小説は綴り続けられていました。そのうちわたしは忙しくなって読まなくなった頃、彼が自殺したことを知りました。言葉にできないショックを受けました。パソコンの前に座り、彼のネット小説を開いてみました。わたしが見なくなった頃から更新が途絶えていました。

半年ほどたって、彼のネット小説を開いてみましたが、まだそこにありました。彼はいないけど、彼の文章はまだそこにあり、少しですがアクセスされているようでした。改めて文章を読みながら、そう言えば「先生もやってみたらいいのに。」と言われたことを思い出しました。「何か書いてみよう。」なぜか突然そう思って始めたのがはてなブログです。いつか小説を書くのがわたしの夢で、彼との約束なのかもしれません。