activeにlearningする③

 私は英語が極端に苦手で、コンプレックスでした。でも、ビジネス英語を教えなきゃいけない可能性もあるわけで、逃げてばかりじゃだめだと思い、ある時2年間だけNOVAに通いました。2年分の受講料を一括で払って、後には引けない感じにして。結局教えることがないまま時は過ぎましたが、2017年とうとうビジネス英語を教えなければいけない日がやってきました。日課の都合で2時間続き。これは地獄です。1時間は付属していたCDを使ったりロールプレイングして頑張るとして、あと1時間は…と考えてひねり出したジグソー法を使った異文化理解。これが生徒に好評で、私もとても楽しかったのでまとめます。

 

テーマ「これも海外製?-市場の国際化ー」(ジグソー4回目)

 身近なところにたくさんの海外製品が使われていることを知り、視野を広げよう!

 まずは、「今日のテーマは市場の国際化です。1時間目の英会話では、食事が話題になっていたけど、他にもたくさんのものが海外から輸入されています。どんなものがあるか調べてみよう!」4人1組のグループの代表が私のところに封筒を取りに来ます。その封筒の中身は、「家電」「食料品」「車」いずれかのグループが書かれた紙が入っています。グループは5グループあります。

 「家電」だったグループのメンバーを教卓に呼んで、

① sewing machine ミシン   ② iron アイロン  

③ hair dryer ヘア・ドライヤー     ④ vacuum cleaner 掃除機  

⑤ Air-conditioner エアコン ⑥ washing machine 洗濯機  

⑦ microwave oven 電子レンジ  ⑧ freezer 冷凍庫  

⑨ refrigerator 冷蔵庫     ⑩ blender ミキサー

のカードから早い者勝ちで1枚とらせます。

 次は「食料品」だったグループ。

① ketchup ケチャップ  ② mustard からし  

③ pepper こしょう    ④ oil 料理用油  

⑤ vinegar 酢       ⑥ flour 小麦粉 

⑦ cereal シリアル       ⑧ soup スープ  

⑨ cookies クッキー          ⑩ soda 炭酸飲料  

⑪ crackers クラッカー      ⑫ spaghetti スパゲティ

そして最後は「車」です。

① Audiアウディ   ② BMWビー・エム・ダブリュー 

③ FIAT(フィアット) ④ Jeep(ジープ)  

⑤ Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)  BMW MINI(ミニ) 

⑦ Peugeotプジョー  Porsche(ポルシェ) 

⑨ Renaultルノー   ⑩ smart(スマート)  

 Volkswagen(フォルクスワーゲン) ⑫ Volvoボルボ

いずれも早い者勝ちで1枚とります。

 「家電」と「食料品」の生徒は、それぞれのカードの品目のランキングを調べてベスト5を、「車」の生徒はそれぞれの車のランキングと車の紹介をしてほしいと伝えて、15分のリサーチタイムに入ります。

 その後、4人グループでそれぞれが発表しあい、ワークシートにまとめます。

 そして、その4人が別のグループの3人と合体して集まり、「家電」「食料品」「車」のグループでまとめたワークシートをもとに発表しあいます。あちこちから「へー」「そうなんだ」「知らんかったわ」の声が聞こえます。

 最後に感想を記入し、何人かに発表してもらいます。ワークシートは全員貼り出しです。

 1時間目に市場の国際化に関するやり取りの英語をCDで練習したり、私が学校で探してきたメイドイン海外をいろいろと見せたりして、2時間目を迎えています。

 「ビジネス実務」という商業の科目での授業ですが、いろいろな授業で使えそうでしょ?この授業では、1回目で「自分の名前を伝えよう」というネタで、各自の名前を英語で紹介し、、ALTの先生のお名前に漢字をあてるというワークシートを作り、2回目で「日本の文化を伝えよう」ということで、パソコンを駆使して伝えたい物や行事を絵や英語で伝えるワークシートを作り、ALTの先生に評価していただきました。ALTの先生もとても喜んで評価してくださいましたし、英語が苦手だとブーブー言っていた生徒たちも、楽しみながらやってくれました。

 3回目は、「相手の文化を知ろう」ということで、丁度やっていたサッカーワールドカップの出場国について、4人グループでそれぞれの予選グループの国を選んで1人1国を担当し、指示されたことを調べてまとめ、4人集まってワークシートにまとめます。それを持ち寄って別のグループを調べた4人が集まり、結局は16か国の情報を知ることになるという仕組みです。質問の一つに「こんなこと教えたい!」という項目があったので、生徒は友だちや私を驚かす豆知識を探すのに必死でした。

 5回目は、「相手の国の歴史を知ろう」ということで、将来外国を訪ねるときその国の言葉と文化を知っているのといないのとでは旅の楽しみが大きく違ってくると私自身が思っているので、この授業では、アメリカの歴史を4つの段階に区切って、またその中にそれぞれ4つのキーワードを準備しておいて調べさせてワークシートにまとめました。

 その後は、パスポートの申請用紙書いてみたり、入国申告書を書いてみたり…。結局頭が禿げそうなくらい悩んでいたビジネス英語の授業が結局毎時間の楽しみになりました。英語の力はもちろんつきませんでしたが(いいのかそれで!)、生徒も私も内向きだった目が外に向くようになり、英語もしゃべってみようって気になりました。

 何より、他人と会話し仕事を進める経験は生徒にとって良かったなあと思います。実は、1人どうしても1人で4人分全部やってしまって、他人とどうしても関われない生徒がいたのですが、ようやく5回目には、他の子が、無理やり引き入れて加われるようになりました。まあ全部自分で調べてしまった後でしたけど。