書ける

今週のお題「かける」

中学校の時の国語の先生は、とても個性的でした。中学生になって最初の国語の授業で出された課題が、「国語の教科書の表紙を開いてすぐの真っ白なページ(見返し)を見て作文を書く。」だったのです。「そんなの書けない。」正直思いましたが、負けた気がするので頑張って書きました。みんなも相当面食らったようで、「何を書けばいいんだろう?」「書けるわけないよ。」と口々に言っていました。どうにか作文を仕上げ、人間何が題材でも書けるものだと思ったものです。

その日の宿題は、国語のノートすべてのページの下5センチのところに線を引いてくるというものでした。次の授業で、そこには何を書いても構わない。授業のメモでも文句でも自由に使っていいと言われました。

その先生に3年間国語を習ったのですが、最後の授業が「小説」を書くことでした。1万字は書くように言われて、みんな驚いていました。最初にあらすじを作って、登場人物を整理して、書き始めるわけですが、書いても書いても原稿用紙は埋まりません。それでもどうにか埋めて、推敲して仕上げたときの達成感は何とも言えないものでした。先生には酷評されましたが、書くことの楽しみを味わうことのできたあの授業は今でも忘れられません。今ならパソコンのワープロソフトで入力も推敲も簡単ですね。手を真っ黒にしながら、消しゴムを大量に消費しながら書いたあのわたしの処女作はどうなってるんでしょうかね。実家に残っているのか?