爆発すること

今週のお題「爆発」

55年生きてきて、怒り心頭、震えるほど、血管切れるほど、怒りが爆発することってあったかなあ?と今回のお題を見て思いました。

何度か考えてみましたが、そこまで怒ることはなかったみたいです。仕事で「女じゃ話にならんから男の先生呼んできて。」と言われた時も、長女がひどい目にあって加害生徒のお母さんが土下座してきたときも、怒りはあったけど、同時に呆れるっていうか切ないっていうかいろいろな感情がわたしの怒りを抑えてくれたのかなあ。

実は怒りが爆発する瞬間を見たことはあるのです。

わたしが大学生の頃、普段友人と旅することなどない父が珍しく職場友人たちと旅行に行くことになりました。それまで家族旅行ではわたしたちが写真を撮っていたので、長いこと写真を撮っていなかった父は、写真係になったといって、わたしのカメラを借りていきました。フィルムも新しいのを準備して出かけていきました。

帰ってきて、それはそれは楽しそうに旅の話をしてくれました。そして写真もたくさん撮ったからと現像に持っていこうと、カメラを手にした父の顔色があきらかに変わりました。そうです、フィルムを装填するのを忘れていたんです。写真は1枚も撮れていなかったんですね。出がけに「フィルム入れといてあげようか?」をわたしが言ったときに、「大丈夫自分で入れるから」と出かけて行ったまま、楽しくて撮影に一生懸命だったんでしょうね。そっとその場を離れたわたしと母です。

しばらくして部屋の様子を見てみました。部屋からは「ボスッ!ガサッ!」という聞きなれない音が。わたしのおやつとしてテーブルに置いていたおせんべい「ぽたぽた焼き」が無残にも粉々になっていました。不甲斐ない自分の失敗に怒りが爆発した父が、八つ当たりしたんですね。もう本当に微細に粉々でした。かける言葉がなかったです。

ヤンキー上がりの自衛官の父は、若い頃喧嘩でお互いが内臓破裂した経験の持ち主、ボクシングもしていたので、テーブルも凸凹してました。

その血をひくわたしは、父からの遺伝を恐れ、怒りを抑えるアンガーマネージメントを幼いころから習得して怒りを他の感情で抑えるすべを知っているのかもです(そんなわけはありませんが…)。