思い出す風景にいつも電車がでてくるので

 小さい頃から、よく思い出す風景が2つあります。

 1つは、母(顔は見えないけどそう思う)の隣に座る私。青い座席に座って大きな窓から外を見ています。ガタンゴトンと電車の音がします。どうも路面電車のようです。小学生のとき、母に聞くとそれは札幌のようです。そうだとすると、私は2歳から3歳です。よく覚えているねえと母も驚いていました。

 その時に母が話していた笑える話が…。ある日路面電車に一緒に乗っていた私がワンワン泣き出したそうです。母がどうしたのかと聞くと…。路面電車って対面で座りますよね。向かいに座っていた男の子がかなり派手に鼻を垂らしていたのが、嫌で泣いていたんだそうです。「あの子の鼻が~!!どうにかして~!!」って。大きなお世話ですね(笑)

 2つめの風景は、踏み切りで電車を見送っている風景です。周りは野原で、家はありません。一緒にいるのは妹かなあ?大人もいます。薄が風にそよいでいます。私の実家には電車は走っていませんし、路面電車でもありません。母によると、これは佐賀にある母の実家の近くの風景のようです。小さい頃、帰省すると、当時まだ若かった母の弟、つまり叔父たちが、姪である私たちをお買い物や遊びに連れ出してくれていたそうで、きっととても楽しみにしてたんだね、と母が言っていました。

 小さい頃から電車好きの私の、思い出のふるさとの風景のお話でした。