納豆大好き②

今週のお題「納豆」

 ダウン症の長女は、離乳食が納豆だったといってもいいくらい小さい頃は納豆が大好きでした。好きな食べ物は「納豆」、将来飼いたいペットは「キリン」…これが小さい頃の長女が幼児教室で言っていた決まり文句です。

 長女は僧帽弁閉鎖不全症という心臓の病気を持っています。常に血液が逆流している状態で、当時医師から「常に全速力で走っている感じ。」だと言われていました。小さいうちはその隙間も小さいわけですが、成長とともに隙間も大きくなるわけです。普通ならどんどん大きく育ってほしいと祈るのが親の常ですが、「このまま小さく」が当時の叶うことのない私たちの願いでした。でも、成長した長女は、小学校入学前の6歳で弁形成手術を受けることになりました。

 手術についての説明を受けた時、人工弁をつけると毎日薬を飲み続けないといけないこと。そして、その薬を飲むせいで、大好きな納豆が食べられなくなってしまうことが説明されました。マンガだったら、私の左額あたりに、黒い縦線出てる感じ「ガーーん」って感じです。あんなに大好きな納豆が食べられないなんて、かわいそうすぎる!と訳の分かってない長女よりも私の方がショックで、その落ち込み方は尋常じゃなかったらしいです(笑)。納豆って血液をサラサラにするので、私たち夫婦は一生懸命食べているのですが、それが、人工弁の長女にとってはいけないんですね。理屈は分かっても、口の周りをべとべとにしながら満面の笑顔で納豆をほおばるかわいい長女の顔を思い出すと涙まで出てきました。そこまで!って感じですが…。

 結局は、ゴッドハンドのお陰で、人工弁をつけることなく、弁形成で難局を乗り越え、大好きな納豆をモリモリ食べられることになりました。でも、今は滅多に食べません。他においしいものを見つけてしまったんでしょうね。