女だから

亡くなった父は、わたしに学生結婚でもいいから早く結婚しろとよく言ってました。わたしは、できれば結婚しないで、自由気ままに一人で生きていきたいと思っていました。予想外に結婚した今は、やっぱり幸せだなあと、結婚してよかったなあと思っています。

なぜ、わたしは結婚することを拒んでいたのかというと、結婚すると、家事や育児に追われて自分の時間もキャリアも失うと思っていたからです。自分以外の誰かのために時間を割くことに意味を感じていなかったのです。

そう感じた発端は、自分のなりたい職業が当時は女性に門戸を開いていなかったことにあります。そして、父の「女は勉強してもろくなことはない。」という時代錯誤の考え方で、わたしが進学することをよく思っていなかったことも影響しています。

小さい頃から、「女なのに」「女だから」「女のくせに」と言われることが嫌でした。ずっと男に生まれたかったと思っていました。

教員となって、男女の差なく働くうちに、「女だから」と自分を縛っていたのは自分自身だったことに気付きました。人のせいにばかりしていたけれど…。性別ではないなあ人柄なんだよなと歳を取るほど思っています。