餅の恐ろしい食べ方

今週のお題「餅」

わたしの両親は佐賀の出身です。小さい頃は毎年年末は佐賀に家族で帰省し、30日の餅つきには親戚が集まって餅を食べるのが決まりでした。

そして、父方の祖父は、「餅すすり」の名人なのでした。毎年、その妙技を見せられるわけですが、見ているだけでのどに詰まりそうです。「世の中のお年寄りは餅をのどに詰まらせて亡くなる方もいるのに、うちのじいちゃんはなんて人なんだ!!」と幼心に思ったものです。

「餅すすり」とは、ついた餅をそのまま臼に残し、少量の湯を張ります。片手で餅を少しつまみ、びょーーんと伸ばして先っちょにゴマ醤油をちょこんとつけ、口元に運びます。そして、そのまま一息で、ツルツルと一臼そのまま吸い込むのです。

父や父の姉兄たちも次々にチャレンジしますが、一臼をすすり上げるのは、やっぱり祖父だけなのです。身長は180センチくらいある祖父ですが、太ってないし、胃の中はどうなっているのか?不思議でしたね。

祖父が亡くなり、地域の餅すすり協会は父の兄、つまり叔父が引き継いだんだと思います。叔父も年々腕を上げ、あの恐ろしい餅すすりを毎年やっていました。今でも年末にテレビで放映されたりします。懐かしいですが、その技を継承したいとは一度も思ったことはなかったですね。恐ろしい。