もどかしさ

このブログで何度となく書いたのですが、2015年11月にドイツに研修に行きました。忘れられない思い出がたくさんあります。

地域の小学校に見学に行った時のことです。当時ドイツはたくさんの避難民を受け入れていて、学校にも一目でそれとわかる子どもたちがたくさんいました。

校長の案内で校内を周るわたしたちに、ずっと熱い視線を送り続ける、真ん丸な目の3年生くらいの男の子がいました。お昼休み、ほかの子と遊ぶわけでもなくわたしたちを見続ける彼に、研修のメンバーの一人が手招きをしました。

そこからは、お互い母国語ではない英語でやり取りをします。メンバーの中には英語の堪能な人がいて、その人に頼りきりでしたが、わたしも頑張って尋ねました。「学校は楽しい?」どう見てもエンジョイしているとは思えなかった彼の様子に思わず聞いてしましまいました。答えは「楽しいよ。安全だし。感謝してる。」でした。なんと返していいか言葉に詰まりました。

もっとたくさん声をかけてあげたかったし、話も聞いてあげたかった。あの時ほど「もし英語を自由に使えたら」と思ったことはありません。帰りのバスの中でも男の子のことが気がかりで、自分の語学力のなさも情けなくて、もどかしくて、黙り込んでいたわたしでした。

もしあの時英語を自由に使えたら、伝えたかった事「楽しいことこれからたくさんあるよ。楽しみだね。友達になろう。」って。